たとえば、夕焼けと夜空の間、氷と水の間、冬と春の間。
何かと何かのあいだにただようどちらでもない色や光が混じり合う場所。
そんなボーダーランドが2016年のイヤーズプレートのテーマです。
3年のブランクを経て再開したイヤーズプレートでは、
これまで私たちの作品で多く使ってきた具象的なモチーフや写真転写からいったん離れ、
風景や光、空気感といったものを釉薬で表現したいと考えました。
素焼きしたプレートの上に、フリーハンドで描いた丸、
もしくは定規で引いた四角形の渋紙をランダムに配置して撥水した後、
一枚のプレートの中で2種類の釉薬を重ね掛けしています。
釉薬同士が重なり合って発色も異なり、釉薬がにじんだりたまったりする部分ができたり、
ベースには数種類の白系の土を使用しているため組み合わせる土によっても焼き上がりが変化し、
シンプルな中にさまざまな表情が感じられるコレクションとなりました。
2015.12 Utrecht(東京)
DM photo: Takashi Ehara

